円安バクシン中
これを書いている7/20現在では1アメリカ合衆国ドルは137.91円となっています。
ちなみに2022年1/1の価格はおよそ115円でした。
値段で言うと23円ほどあがっていて、割合で言うと20%ほどのあがり幅です。
さて、これは1月の価格から見て円安ですか円高ですか?
正解は円安です。
今回の記事では
- 円安ってそもそも何?
- 円安って良いの悪いの?
- 円安対策何すればいい?
- 円安と円高を間違えない考え方
について書いていきます。
円安の影響は大きくiPhoneも大体20%ほど値上がりしました。
もちろん値上げされたのはiPhoneだけではなく小麦や石油が円安、不作、社会情勢など様々な要因で値上がりが起こり軒並み値上げラッシュとなっています。
円安についての知識がないとこの先の生活が大変なことになってしまうかもしれませんよ。
円安ってそもそも何?
円安とはそもそも何なのか。
円安とは他国の通貨に比べて自国の通貨(円)の価値が下がることを言います。
単純に円安と言う場合はアメリカ合衆国ドルと比べて円が安くなっている状態のことを言います。
ざっくりした例になりますが1ドル100円だったのが1ドル150円になったら円安になります。
ちなみに物に対して円の価値が下がることをインフレと言います。
ドルをただの物だと考えると円安もドルに対してのインフレと考えることができますね。
円安って良いの悪いの?
最近は円安がヤバいみたいなことを言われているので円安は良くないんだろうと思っている人は多いと思います。
実際この記事にたどり着いた人もそういう認識で検索したりして来てるだろうし…
円安は悪いと言われがちですが、デメリットだけではなく実はちゃんとメリットもあります。
メリット
- 外国資産が増える
- 外国人観光客が増える
- 輸出企業の業績が良くなる
- 外国に生産設備を持つ企業の業績が良くなる
デメリット
- 国内資産の価値が下がる
- 海外旅行が高くなる
- 輸入企業の業績が悪くなる
- 輸入品が高くなる
メリットとデメリットはこんな感じです。
円安のメリット
円安のメリットはこんな感じでした。
メリット
- 外国資産が増える
- 外国人観光客が増える
- 輸出企業の業績が良くなる
- 外国に生産設備を持つ企業の業績が良くなる
最近はS&P500などの外国の株価指数などに連動の投資信託に投資している人も多いですが、当然ドルの値段が上がればドル建ての資産も増えます。
ドルを持っていなくてもドル建ての資産に投資していればドル高(円安)の恩恵を受けられるんですね。
また、円安だと外国人観光客も増えます。
今はコロナの影響で外国人旅行客は非常に少ない状態ですが、基本的に円安になると外国人環境客は増えます。
これは単純に円安というのは日本の売り物全部が安売りされている状態なので安いなら日本行っちゃうかといった感じで外国人観光客が来るからです。
日本は治安も良いしインフラも整備されているし独特な文化もあるので外国から見た旅行先としてはぴったりですからね。
そこに安売り(円安)も加われば最強でしょう。
そして、輸出企業の業績が良くなります。
アメリカに製品を輸出する場合、売り上げはドルで手に入れて最終的に日本円に換金します。
車1台を5万ドルで売ったとして1ドル100円なら500万円ですが1ドル120円なら600万円です。
同じものを同じ値段で売ったのに得られたお金は100万円も増えました。
このようにドル高(円安)であれば売り上げをドルでもらえる場合に得するので輸出企業の業績が上がります。
円安のデメリット
続いて円安のデメリットはこんな感じです。
デメリット
- 国内資産の価値が下がる
- 海外旅行が高くなる
- 輸入企業の業績が悪くなる
- 輸入品が高くなる
基本的に日本人の貯蓄は円建ての貯金と保険と土地です。
外国から見て日本円の価値が下がっているので円建ての資産の価値は相対的に下がっていきます。
また、海外旅行にかかる費用が増えます。
円安だとドル自体の値段が高くなっているので、ドルで売っているものを日本円換算で買おうとするといつも以上に支払う金額が増えてしまうからですね。
買い物やホテル代など全体でかかる費用が増えるので海外旅行は高くなってしまうんです。
そして、輸入企業の業績が悪くなります。
アメリカから製品を輸入する場合、支払いはドルで行うので日本円を換金して用意します。
車1台を5万ドルで買ったとして1ドル100円なら500万円で5万ドル用意すればいいですが、1ドル120円なら600万円でようやく5万ドル用意できることになります。
同じものを同じ値段で買ったのに払ったお金は100万円も増えました。
このようにドル高(円安)だと輸出企業とは全く逆の現象が起きて支払金額が増えるので業績が悪くなってしまうんですね。
そして最後に一番重要な点で輸入品の値段が上がります。
輸入企業は外国から高くなった商品を買ってきてそれを販売しますから当然その分の値段は消費者が負担することになります。
ぜいたく品だったら節約して買わない手もありますが、生活必需品ならそうはいきません。
それどころか石油や天然ガスが値上がりした場合はそもそもの電気代や輸送費などが値上がりするので影響を受けないところなんてなくて全体的に値上げされることになります。
最近の小麦・大豆などのメインの食料品や電気・ガソリンなどの値上げによって家計が圧迫されてる人も多いのではないでしょうか?
これらの値上げの要因は円安以外にもありますが、中でも円安は大きな要因となっています。
個人的にはデメリットの方が大きいと思う
そんなわけでメリットとデメリットを書いてみたわけですがいかがでしょうか?
僕個人としては円安はデメリットの方が大きいように思います。
もちろんグローバル企業や輸出企業で働いていたり、外国人観光客が良く来る観光地で働いている人にとっては円安はメリットの方が大きいでしょう。
しかし、普通の一般的な職業の日本人にとっては円安のメリットは正直関係ないことであり、あまりメリットを感じることはないでしょう。(一応外国人観光客が来ると消費が増え景気は良くなるので少し影響はある)
メリットがあまり関係ないという点のほかにも問題があります。
それは
- 外国資産を持っている日本人が少ない
- 基本的に日本は素材を輸入に頼りがち
ということです。
最近は投資をしている人も増えてきてはいますが未だに少数派です。
一度こちらの令和3年の日本人の金融資産保有額を眺めてみましょう。
これを見るとそもそも貯金を含めた金融資産がない人が25.8%もいます。
どの世代でも5人に1人は金融資産を所持していないので投資はおろか日本円の貯金すらないという悲惨すぎる状態です。
20代でお金がないのはまあまだ理解できるとして、60代70代でお金ないのは何考えて生きてきたんだよとしか言いようがありません。
貯蓄の中央値も全世代で300万円です。
この貯蓄額は貯金、保険、個人年金などを含んでいます。
ようはほぼ円建ての貯蓄ですね。
株式、投資信託、債券などに投資している割合も公表されていますがこんなものです。
株式は3人に1人、投資信託は4人に1人くらいですね。
この中でさらに日本国外のものに投資している割合までは分かりませんが、そう多くはないでしょう。
外国資産の増加のメリットを受けることができるのはごく一部の人だけなんですね。
また、日本は基本的に素材を輸入に頼っています。
中東のように石油がじゃぶじゃぶとれるわけでもなく、中国やロシアのように広大な土地から金みたいな価値のある資源がたくさん取れるわけでもないので資源もそれほど多くは算出されません。
子供向けのサイトですが見やすくてわかりやすいサイトがあったのでこちらを見てましょう。
原油、天然ガス、石炭などの発電するためのエネルギーの輸入がどこの年代でも多いですね。
非鉄金属もそれなりに多く原材料を輸入に頼りがちなのがうかがえます。
また、総額ランキングだと10位までにはランクインしていませんが、3大穀物のとうもろこし、大豆、小麦は合計6700億円以上の規模で輸入額の1%ほどです。
そもそもの3大穀物の値段を考えると結構大きな額を占めていると言えますね。
そんなわけで原材料などを輸入に頼ってる日本ですが、円安になるとこれらの輸入品の値段が高くなります。
原材料や生活インフラに必要なものの値段がそもそも上がるんだから生活に必要なものすべてが値上がりします。
当然生活に困る人も出てきて消費は落ち込み景気も悪くなるという負のスパイラルが始まってしまいますね。
円安対策何すればいい?
円安はデメリットが大きいので対策をできるならやっておきたいですね。
そんな風に思った人のために簡単なものから難しいものまで対策を紹介します。
- 資産を分散
- 稼ぐ力を高める
- 外国で稼ぐ
上から簡単な順番で並べました。
これだけだと何をすればいいのかわからない人もいると思うので詳しく解説していきます。
難易度低 資産を分散
円建ての資産しか持っていない場合はドル建て(やユーロ建て)の資産を持つようにしましょう。
やり方としては貯蓄や投資先、給与収入が日本のものに偏っているのであれば外国株や外国の株価に連動する投資信託を購入するといった方法です。
海外に口座を作ってドルを預金しておくなんかよりもよっぽど簡単ですね。
ただし、銀行などで見かける外貨預金はほとんどぼったくり商品なのでオススメしません。
難易度中 稼ぐ力を高める
円安になると円建ての資産に大きなダメージを受けます。
資産に大きなダメージが出ても何とかなるように稼ぐ力をつけておくのは大事です。
具体的には、スキルや資格を手に入れて手に職を付ける、副業してみる、本業で昇給する。などになってきます。
稼ぐ力があれば円安でも気にしなくてもいいだけの収入を得られているかもしれません。
過去の収入がダメージを受けてしまうのであれば未来の収入で補填していくしかないですね。
難易度高 外国で稼ぐ
そもそも外国で稼いでいれば円安(ドル高)の恩恵を受けられます。
外資系で仕事をしたり、言語の壁のない仕事で外国相手に商売をしたり、そもそも外国で働くことで収入を最初から円建て以外にすれば円安で困ることはありません。
と言っても日本語以外の言語の習得や専門性、何よりも行動力が必要で一般的には難しいですね。
また、これは円安対策にはなっていますが、万が一円高になった場合は円高のデメリットをもろに受ける可能性も十分にあります。
対策として行うにはややバランス感に欠ける印象ですね。
まあこの対策ができる時点で難易度中の稼ぐ力が十分に高い気もしますが。
円安と円高を間違えない考え方
この記事では円安について、メリットとデメリットや円安対策について書いてきました。
メリットデメリットや生活への影響を考えるとあまり間違えることはないんですが、円安と円高はなじみがないとどっちがどっちなのかわからない状態になりがちです。
そんなどっちかわからないあなたに今回は絶対に間違えない考え方をお教えします。
そのやり方は円ではなくドルを基準で考えるです。
ドル高なら円安、ドル安なら円高の2パターンしかありません。
ドル高で円高、ドル安で円安はありません*。
*厳密に言うとドル円ユーロで見たときにユーロだけ爆上がりしてたらドル安円安はあるんですが今回は2国間の比較での円安の話なので無視します。
ドル高というのは1ドル100円から1ドル150円になったみたいな動きですね。
1ドルを買うための値段が高くなったのでドル高です。
ドル高だと自動的に円安になるので1ドル100円から1ドル150円に変わる動きは円安だと分かるんですね。
もちろん逆に1ドル150円から1ドル100円になったみたいな動きの場合は1ドルを買うための値段が安くなったのでドル安です。
ドル安は自動的に円高になるので1ドル150円から1ドル100円に変わる動きは円高となります。
ちなみにドルだとお金とお金なのでもうよくわからんという場合はドルをうまい棒だと思っても大丈夫です。
うまい棒1本が10円から12円になったら10円じゃ買えなくなります。
つまりうまい棒の値段が上がっているのでうまい棒高です。
うまい棒高ということは同時に円高にはならないので自動的に円安となります。
これでもう絶対に円安と円高どっちがどっちだっけ?とはならなくなりましたね。
ところで個人的にはどうせドルとしか比べないんでドル高ドル安の方が直感的で好きなんですが、なんで円安円高なんでしょう?
最後のまとめ
今回は【超初心者向け】円安って何なの?というタイトルで円安について解説しました。
円安とは他国の通貨に比べて自国の通貨(円)の価値が下がることを言います。
ヤバいと言われている円安にはデメリットだけでなく一応メリットもあります。
メリットとデメリットはこんな感じです。
メリット
- 外国資産が増える
- 外国人観光客が増える
- 輸出企業の業績が良くなる
- 外国に生産設備を持つ企業の業績が良くなる
デメリット
- 国内資産の価値が下がる
- 海外旅行が高くなる
- 輸入企業の業績が悪くなる
- 輸入品が高くなる
職種や資産配分によっては円安のほうがメリットが大きい人がいるのも事実です。
しかし、基本的にはデメリットの方が大きく円安は良くないものと認識していいでしょう。
円安が悪いものであれば対策をしておきたくなりますね。
主な対策は
- 資産を分散
- 稼ぐ力を高める
- 外国で稼ぐ
となってきます。
手軽にできて効果もそれなりに見込める資産を分散がオススメです。
そして最後に円安と円高を間違えない考え方についても書きました。
ドル基準で考えてドル高なら円安、ドル安なら円高となります。
こんな記事も書いています。
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