【理系の絶対】95%大丈夫なら統計的に絶対正しいことにしていい?

生活
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク
スポンサーリンク

95%大丈夫なら絶対と言って大丈夫です

95%大丈夫なら絶対と言って良い理由は、統計学で帰無仮説の棄却に使われている有意水準が一般的に0.05(5%)だからです。

つまり統計学的には5%よりも小さい確率でしか起きないものは無視しても良いもの(棄却できる)なんですね。(事の重大さによって水準は変わりますが)

もちろん統計学的に無視できたからと言って確率が0になるわけではないですが。

理系は絶対と言わない

理系の人間は「絶対」起きるとか「絶対」大丈夫という言葉を使いたがりません。

理系の「絶対」は必ずと言う意味で使われることはあまりなく「相対」の対義語として使われることがとても多いです。(相対パスと絶対パスとか)

ちなみにweblioの絶対の意味はこんな感じです。

ぜっ‐たい【絶対】
読み方:ぜったい

[名・形動]

1 他に比較するものや対立するものがないこと。また、そのさま。「―の真理」「―な(の)存在」「―君主」

2 他の何ものにも制約・制限されないこと。また、そのさま。「―な(の)権力」

3 ⇒絶対者

4 (副詞的に用いる)

㋐どうしても。何がどうあっても。「―に行く」「―合格する」

㋑(あとに打消しの語を伴って)決して。「―に負けない」「―許さない」「―反対」

「絶対」の意味や使い方 わかりやすく解説 Weblio辞書

一般的には4の副詞的に用いるという意味で使うことが多く、100%起こりえる事柄に対して使うことが多いです。

しかし、当然ですがこの世に100%起こりえる(起こりえない)ことなんてありません

  • 明日地球が滅亡するかもしれない
  • 明日100億円手に入れるかもしれない
  • 明日会社がつぶれるかもしれない

などどんなに確率は小さくても起こりえる可能性は必ずあるんです。

それがたとえ0.00000000000000000000000000000001%でも起きる可能性があれば絶対に起きないなんてことは言えません。

とは言え、絶対を言えなくなると何もできなくなってしまいます。

例えば絶対がある世界では、「この前提で行った実験結果からこのように断言できる」と言うことができますが、絶対がない世界では、「こんな感じの傾向のある前提で行った実験結果からこのように思える」とめちゃくちゃあいまいなことしか言えない世界になります。

正しいような気もするけど絶対正しいと言えない世界なのであれば、「間違ってるような気もするけどあってるかもしれないからそれについての実験をして結果も考慮しないといけない」といった制約が付くことになります。

これでは人類はいつまでたっても発展できませんね。

幸いにも人類は現在までにすごく発展してきていますし、人類は絶対を使うことのできる種族です。

絶対を使うために人類はどうしたかと言うと、無視できるくらい発生確率の低い例外は問題ないものとして絶対と言ってしまおうと決めたのでした。

帰無仮説と有意水準

つまり、統計学的に有意水準を有意確率が下回った場合は帰無仮説を棄却できたとして、絶対に対立仮説が正しいと言ってよくなるとしたのです。

聞いたこともない言葉が出てきたと思うのでこれについて解説していきます。

帰無仮説とは

帰無仮説とは、ある仮説に対して立てられる反対の仮説のことです。

例えば「たばこは寿命を縮める」と言う仮説に対して、反対の仮説として「たばこは寿命を縮めない」と言う仮説を立てた場合は「たばこは寿命を縮めない」が帰無仮説となります。

たいていの場合は棄却(捨ててよいと)されるはずの仮説として立てます。(実際にたばこが寿命にどう関係あるのかは全く調べていないので知ったこっちゃありませんが)

そして、この帰無仮説を棄却することができたのであれば、最初に立てた仮説(対立仮説)が絶対に正しいとなります。

有意水準とは

有意水準とは、帰無仮説を棄却するかどうかを決める水準のことです。

この水準を下回った場合は稀に発生することなので通常であれば発生しないとして帰無仮説を棄却してよいとします。

そしてこの有意水準は一般的には5%や1%が使われることが多いです。

これはどの程度の確率であれば稀に起きることとして許容できるかと言う数値なので、この数字が小さいほど絶対と言い切れる条件が厳しくなります。

5%なら20回に19回起こるなら絶対で、1%なら100回に99回起こるなら絶対となりますね。

ちなみに天気予報の降水確率0%は0~5%の事なので、有意水準5%であれば「今日雨が降る」と言う帰無仮説を棄却できたことになるので「今日は絶対に雨が降らない」と断言することができます。

気象庁|予報用語 予報の名称
気象庁が天気予報等で用いる予報用語に関するページです

降水確率10%で雨が降っても文句を言われるようなのが気象予報士なのでそれこそ絶対に「今日は絶対に雨が降りません」なんて言わないですけどね。

このように、有意水準は1%や5%が使われることが多いのですが、超大規模な経済問題、健康問題、学のないバカのクレーム対策などの場合は5%や1%ではなくもっと低い水準にされることも多いです。

そもそも有意水準はなんとなくで5%とかに決まっているので実際に有意水準を決める場合は過去の慣例にのっとって決めるのが良いでしょう。

まあ暮らしの中で取り返しのつくことであれば5%もあれば十分すぎるほどなんですけどね。

統計学的に絶対でもまれに起きる

統計学的に有意水準を有意確率が下回った場合は帰無仮説を棄却できたとして、絶対に対立仮説が正しいと言ってよくなる。

これは紛れもない事実ですが、統計学的に絶対だからと言って本当に帰無仮説の発生確率が0なわけではありません

つまりぶっちゃけて言うと、どんなことでも起きるときは起きます

統計学的に無視していいよと言う水準を超えていたら無視して絶対と言い張って良いということなんですね。

これは文系が言う「絶対」とほぼ同じ性質をもった言葉で、絶対と言いつつも発生確率は100%ではなく、稀に発生する事柄は無視できるほどに発生確率が小さいとなります。

このように統計学をちゃんと使える人間は理系の人間でも文系の人間と同じ「絶対」を使うことができます

逆に言うと絶対なんてないと言ってる理系の人間は統計学を知らないバカなんですね。

これでめちゃくちゃ大雑把に言うと95%以上の確率で発生する事柄に関しては絶対に起きると断言してよくなるし、5%以下の確率でしか起きない出来事は絶対に起きないと断言してよくなるので文系の人と仲良くお話しすることができます。

もし有意水準を下回っているにもかかわらずその稀な事象が発生してしまった場合は「統計学的に一般に用いられる有意水準5%において帰無仮説を棄却できているため、絶対と言う言葉を使ったが確率上は0ではないので確かに発生することもある」と言いましょう。

最後のまとめ

今回は【理系の絶対】95%大丈夫なら統計的に絶対正しいことにしていい?と言うタイトルで統計学について軽く説明し理系の人でも絶対を使っていいんだよということをまとめました。

理系の人間は「絶対」起きるとか「絶対」大丈夫という言葉を使いたがりません。

とは言え、絶対を言えなくなると何もできなくなってしまいます

それでは困ってしまうので、統計学的に有意水準を有意確率が下回った場合は帰無仮説を棄却できたとして、絶対に対立仮説が正しいと言ってよくなるとしました。

帰無仮説とは、ある仮説に対して立てられる反対の仮説のことです。

有意水準とは、帰無仮説を棄却するかどうかを決める水準のことです。

これは文系が言う「絶対」とほぼ同じ性質をもった言葉で、絶対と言いつつも発生確率は100%ではなく、稀に発生する事柄は無視できるほどに発生確率が小さいとなります。

このように統計学をちゃんと使える人間は理系の人間でも文系の人間と同じ「絶対」を使うことができます

こんな記事も書いています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました