ふるさと納税は罠もあるけど超お得だからやろう
サクッと結論を書いておくと普通の人はほぼ確実にふるさと納税はやった方がいいです。
ただし考慮しておくとさらにお得だったり損しなかったりする項目が5つあるので可能な限り抑えておきましょう。
今回は5つの罠と称していますが具体的には
- 先に納税
- 返礼品の税金
- 時間消費
- 実際の価値
- 忘れるとただの高い買い物
となっています。
そんなこと言われなくてもわかってるとか、気にするほどではなくない?みたいな項目もあるかもしれませんが、読んでおいて損はないはずなのでチェックしておきましょう。
特に1番上に書いている先に納税は一般的にふるさと納税について語る際にはあまり触れられていませんが非常に重要なポイントです。
そもそもふるさと納税って
ふるさと納税ってなんぞや?って人がいまさらいるかはわかりませんが、まずはふるさと納税についてから入ります。
総務省やさとふるで解説されているものが詳しくてわかりやすいですね。
ざっくりした説明をすると地方自治体に寄付をすると翌年の支払う住民税が一部控除(安くなる)され、寄付した自治体からは寄付してくれてありがとうというお礼の品(特産品など)がもらえるという制度になっています。
ふるさととついていますが縁もゆかりもないところに寄付しても何の問題もありません。
また、寄付は基本的にふるさと納税を行うことができるポータルサイト(通販サイトみたいなもの)から行います。
さとふるやふるさとチョイスなんかが有名ですね。
楽天ふるさと納税なんかだとほとんど楽天市場で買い物する感覚で寄付することができます。
ふるさと納税の5つの罠
ふるさと納税でもらえる返礼品は高還元のものだと豚肉4キロ1万円みたいな価格設定になっています。
100gで250円なので、スーパーの価格で考えると普通かちょっと高めの価格ですね。
ですが実際は、ふるさと納税の自己負担額は2000円となるので4キロ2000円で購入したようなものになるので非常にお得です。
そして自己負担額は1年で最大2000円なので何か所に寄付しても2000円のままです。
つまり、仮に同じように返礼品をくれる自治体に合計4か所に1万円ずつ寄付した場合でも自己負担は2000円のままとなり、16キロの豚肉を2000円で購入できたことになります。
こんな感じで超お得なふるさと納税ですが、お得なだけなんてものはこの世にほぼ存在しないので当然罠があります。
そんな5つの罠はこちらです。
- 先に納税
- 返礼品の税金
- 時間消費
- 実際の価値
- 忘れるとただの高い買い物
これだけだとよくわからないと思うので詳しく解説していきます。
先に納税
ふるさと納税は寄付金に応じて翌年の住民税が控除される仕組みになっています。
厳密には違いますが、お金の動きとしては住民税をふるさと納税として先に払っていると言っても問題ないでしょう。
つまり、通常のタイミングよりも1年早くしかも一括で住民税を支払っていることになります。
これは手元から早くお金が出ていくデメリットがありますね。
自営業の人はよくわかると思いますが、手元資金は多い方ができることが多く支払いはなるべく後のほうが良いとされています。
例えば、投資でも同じで株の平均リターンが約104%だとすると1万円は1年で1万400円になる計算になります。
家や車を買う場合は頭金を支払ったりしますし、奨学金などの借金がある場合はそちらを返済したほうが結果的にお得だったということもあるかもしれません。
先に支払いを済ませてしまうというのはこのようなメリットを放棄するということと同じです。
返礼品の税金
ほとんどの人には関係ありませんが、返礼品は所得税で言うと一時所得の扱いになります。
一時所得は特別控除額が50万円なので50万よりも多くの一時所得がある場合はオーバーした分の1/2の金額を税金として納める必要があります。
一時所得は競馬の払戻金なども含まれますが、すべての一時所得を合算した時の金額が基準となることに注意が必要です。
つまり競馬で50万円払戻金がある場合は返礼品の価値が丸々オーバー分に乗っかります。
まあ実際にそれで確定申告している人がいるかは謎ですが公営ギャンブルをやる人は注意してください。
僕は公営ギャンブルの課税にはかなり疑問を持っているしそもそも期待値がドマイナスなので公営ギャンブル全般は全くオススメしていません。
と言うかそもそも株主優待、公営ギャンブル、ぱちんこパチスロ、フリマサイトの売り上げ、身内の麻雀、懸賞、マイナポイントなどなど合算してちゃんと一時所得の確定申告してる人なんているんですかね?たぶん税務署の職員でもやってないと思うんですけど
時間消費
返礼品を選ぶのにも意外と時間がかかります。
あとで住民税が控除されてほとんど返ってくるとは言え、基本的には通販で数万円の買い物をするんですから真剣に悩むことになります。
また、調べているとなんだかんだ楽しくなって2~3時間くらい返礼品探ししているなんてことも普通にあります。
しかも結局調べるだけ調べてから、まだいいかみたいな感じで寄付せずに後日もう一回調べなおすなんてことをしている人もざらにいます。
自分が時給2000円稼げる人であれば3時間も返礼品探しなんてしていたらそれだけで6000円の損です。
隣町のスーパーまで10円安い卵を買いに行くような時間の使い方はやめた方がいいですね。
また、簡単になってきているとは言え、寄付をした場合は書類作成をする必要があります。
人によっては自分で確定申告をしなければならない人もいますし、この部分でも意外と時間がかかります。
実際の価値
返礼品は寄付金の3割までの価値と上限が決められています。
つまり1万円の寄付金なら貰えるものは3000円の価値のものまでということですね。
もちろんポータルサイトに出ているものはその条件を満たしているので問題なく寄付することができますが、3割までと決められているのでものによっては全然お得じゃないものもあります。
実際は似たようなものを普通に買えばよかったなんてことにならないようにうまく返礼品を選びましょう。
また、基本的に返礼品は高級品になりがちです。
理由は様々あるでしょうが、特産品などはそもそも国産で地元の人が手間暇かけて作ったものですし、多少高いものを用意しないとその分高い金額の寄付金を設定することができません。
ワンストップ特例制度は寄付する自治体が5か所までなら使える制度なのでこまごました安い金額の寄付先はあまり良いとは言えないんですね。(最後の調整には便利ですが)
普段安いもので満足している人が無理やり高級品を食べても値段ほどじゃないなと思ってしまうこともあるのではないでしょうか?
忘れるとただの高い買い物
当然ですが、寄付しただけでは住民税の控除の対象にはなりません。
この自治体にこの日寄付しました。という証明をする必要があります。
この証明をし忘れるとただ寄付して3割の商品しかもらえない高い買い物をしただけになってしまいます。
まあ今はめちゃくちゃ簡単になっていますし、サラリーマンならよほどの稼ぎがない限りワンストップ特例制度を使ってサクッと終わらせられるのでそんなに心配する必要はないです。
もうひとつ忘れてはいけないのが控除額上限の計算です。
これは大手のふるさと納税ポータルサイトなら計算機みたいなものを用意してくれているのでそれを使って計算すればおおよその金額を教えてくれます。
ふるさとチョイスの計算機だと簡単シミュレーションで単身で年収400万円の場合、寄付金額は約43000円となるようです。
単純に43000円分寄付した場合に住民税がMAX控除(41000円引き)されますが、別にこの上限はこれ以上寄付することもできますしこれ以下で終わらせることもできます。
つまり5万円分寄付しても住民税の控除額は41000円のままですが別に寄付できないわけではないんです。
また、5000円しか寄付しない場合は控除額は3000円になります。
このように少ない金額だと控除額も少なくなり損してしまいますし、オーバーするとオーバーした分は控除されず高いだけの買い物になってしまうので損してしまいます。
年収はその年の年収なので不確定要素の大きい年初にふるさと納税を満額済ませてしまうと減給やボーナスカット、転職、失業のときに思ったよりも収入が少なくて控除額上限よりも多く寄付してしまったなんてことなってしまうかもしれません。
僕はふるさと納税やってます
何のかんの罠についてつらつらと書いてきましたが、気を付けるべきところを気を付けてしまえば結局はお得なのでやらない理由はほぼないです。
一般的な生活をしている人はほぼ間違いなく得なので当然僕もやってます。
5つの罠に対して僕なりに気を付けている点を書いていくので参考にしてみてください。
先に納税
まずは先に納税している問題です。
ふるさと納税をするのであれば実質的に先に納税して手元から現金がなくなることを防ぐことはできません。
しかし寄付を可能な限り後ろにずらすことで支払いを遅らせることはできます。
つまり1月などの年初に寄付するのではなく12月などの年末に寄付することでギリギリまで現金を手元に置いておけるということですね。
現金は投資にまわして1年で約4%増やせるとすると年始に4万円を寄付する場合と年末に4万円を寄付する場合で約1600円も差が出てきます。
年末は収入の見込み額もかなり正確に把握できるので寄付をするなら年末、早くても11月くらいまでは待つようにしましょう。
返礼品の税金
次に返礼品の税金問題です。
と言っても競馬とかをやっていない場合は一時所得が50万円を超えるようなことはほぼないと思うので気にしなくてOKです。
競馬とかやってたらそもそも50万円超えてるでしょうしね。
ちなみにインスタントジョンソンのじゃいさんが追徴課税を受けた件で不服申し立てや法改正に向けた運動などを行うとの話が出てきました。
PayPayなどで寄付金も募っているようなので競馬ファンや関係者は寄付してみてはいかがでしょうか?
ちなみに僕は100円寄付しました。
まあそんなことはともかく基本的に普通の生活をして普通に働いている人には縁のない話です。
時間消費
続いて時間消費です。
返礼品選びに時間がかかるのであればなるべく短縮するのが解決策になります。
何に時間がかかるのかというと主に探すことに時間がかかる、決断することに時間がかかるの2点でしょう。
この2つを一気に解決する方法はランキング上位をたいして調べずに注文する。です。
検索サイトで「ふるさと納税 ランキング 還元率」などのワードで検索するといい感じのサイトがヒットします。
こんな感じのサイトがヒットするので、自分の欲しい商品のランキングを見てさっと選びましょう。
還元率だけ見ると超高級品の量の少ないやつが上に来たりしているので、
「豚肉の2キロ以上10000円以内でランキングで一番上のやつ注文しよう」
みたいに考えてから見ると理由も明確だし即決断できます。
書類のほうは普通のサラリーマンであればワンストップ特例を使いましょう。
書き方も自治体が送ってきてくれるものに入っているのでそれを見ながら書くだけでサクッと完了できます。
あと裏技でどうしてもじっくり返礼品を選びたいという人向けの方法として仕事中に探すという方法があります。
時間がかかってよくない理由は調べる時間に給料が出ていないからです。
給料が出ている時間であればいくら時間を浪費しても何の問題もありません。
雇われの底辺サラリーマンなら悪くない選択でしょう。
ただしやる場合は自己責任でお願いします。
ちなみに僕は仕事中に返礼品探ししてます。
実際の価値
今度は実際の価値についてです。
ふるさと納税でもらえる返礼品は基本的に高級品です。
A5ランク和牛、エンペラーサーモン、鰻、シャインマスカットどれもこれも高級品です。
もちろん高級品は高級品で役割があるんで棲み分けはできていますが、普通の食事で自分で食べるだけならいつもの安い牛肉、魚、果物で良いんじゃないか?となりませんかね?
500円の食事を1000円の食事に変えるのであれば幸福度が2倍にならないと損をしていることになります。
同じように1000円の食材をふるさと納税で1万円(価値は3000円)の食材に変えるのであれば3倍は幸福度が上がらないといけません。
この問題は気持ちの問題なので個人の考え方次第なところもありますが、自分なりの解決策はなるべく量があって普段のものと変わらないくらいのお得度にする。というものです。
つまり普段食べている1000円の食材は、ふるさと納税の返礼品で貰ったものも1000円になるようにして、高級品とはそもそも交換しないという感じです。
上のところでも書きましたが還元率ランキングから量を見つつ選ぶと自然とそうなるのであまり意識する必要はないかもしれません。
あと結局自己負担は2000円となり、ほかの支払った寄付分は住民税から控除されるのでよっぽどおかしなものに寄付しなければ元が取れずに損するということはないでしょう。
忘れるとただの高い買い物
最後は忘れるとただの高い買い物です。
上のほうでも書きましたが、この自治体にこの日に寄付しました。という証明をしない限り翌年の住民税は控除されません。
この証明をし忘れないようにする方法はめちゃくちゃシンプルでワンストップ特例をするにチェックを入れて寄付して、自治体から書類が来たらすぐ書いて返送する。
これだけです。
まあそれができれば苦労しないんですけどね。
あとは控除上限金額の計算ですが、これも寄付するタイミングで計算しながら寄付すれば失敗することはないと思います。
寄付自体は年末推奨なのでその年の年収もほぼほぼ狂わずに算出できますしね。
会社によっては給与明細が電子データだったりすると半年くらいで閲覧できなくなってしまうこともあるので、自分のPCにダウンロードしておくか印刷して確認できるようにしておくと良いでしょう。
最後のまとめ
今回はふるさと納税の5つの罠について書いてみました。
ふるさと納税は超絶お得な制度なのでほとんどの人はやった方がお得です。
しかしお得なだけのものなんてなく、ふるさと納税にも5つの罠があります。
その5つの罠は
- 先に納税
- 返礼品の税金
- 時間消費
- 実際の価値
- 忘れるとただの高い買い物
です。
特に1番上に書いている先に納税は一般的にふるさと納税について語る際にはあまり触れられていませんが非常に重要なポイントです。
それ以外の項目も時間消費を最小にするなど、抑えるべきところを抑えるだけで1万円くらいは実質的な期待値が積めるでしょう。
せっかくお得な制度を使うのであれば恩恵は最大限受けたいですね。
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