賃金ではなく物価より手取りが増えないのが問題
僕は今のところ国民民主党を支持しているんですが、国民民主党が掲げている目標として、「給料を上げる。国を守る。」というのがあり、政策5本柱の1番目が「給料の上がる社会を作る」となっています。
まあ他の政党がめちゃくちゃに間違ってるからこの目標でも一番まともなんですが、それでもツッコミたいんです。
大事なのは「賃金が上がることじゃなくて減税して手取りが上がること」です。
賃金がいくら上がっても手取りがろくに増えないんじゃ意味がありません。
それに賃金を上げるかどうかは会社が判断することで、政府が介入していいはずがありません。
そこを取り違えているのはかなり良くないですね。(国民民主党は言葉が足りないだけで理解してるかもしれないが、他の党が間違って認識する可能性が非常に高い)
まあ他と比べると本当に文句なしにまともなのでこれからも支持していくとは思うんですけど、与党になるにはまだまだ議席が足りないんですよね。
賃金が上がるとは
賃上げとはこんな意味だそうです。
賃金の増額のこと。あらかじめ労働協約、就業規則等で定めた制度に基づき、年齢や勤続年数、業績に応じて定期的に引き上げる「定期昇給(定昇)」と、賃金表の改訂で基本給の水準を引き上げる「ベースアップ(ベア)」に分けることができる。
賃上げ|証券用語解説集|野村證券 (nomura.co.jp)
要するに会社が協定や制度に基づき賃金を上げる、会社が基本給の水準を引き上げて賃金を上げるを行うことです。
つまり賃上げするか決めるのは会社です。
たいていの場合は会社は株式会社なので賃上げで人件費を上げるとその分利益が減って株主のリターンが少なくなります。
ざっくり利益=売り上げー(経費+税金)なので当然の話ですね。
政府が、景気を良くして売り上げを伸ばしたり、減税して経費を削減したりして利益が変わらないか大きくなって従業員の賃上げを無理なくできるのであれば多少は問題ないですが、ただ賃上げをお願い(強要)するだけで政府が株主の資産である利益に手を出していいはずがありません。
会社はボランティアでやってるわけじゃなく利益を追求するためにやってるんです。
賃金が増える社会と手取りが増える社会
賃金が増える社会と手取りが増える社会でどのようなことが起きるのか、ちょっと極端な感じになりますが想像してみましょう。
今の給料の中央値はとりあえずググって出てきた約400万ということにしておきます。
物価に関しては消費者物価指数を基準に104.1としましょう。
賃金が増える社会
なんやかんやあって給料も物価も毎年2%上がる社会になったとします。
つまり10年で給料は488万円、物価は126.9、36年だと給料は800万円、物価は208.2です。
要するに給料も物価も10年で1.22倍、36年で2倍になります。
でも預金残高は2倍になりません。
1000万円の預金を36年持っていても2倍の2000万円どころか1001万円になるかも怪しいところです。
つまり預金なんかしてても価値がなくなるだけだから早く消費したほうが得だとまともな人間なら考えます。
それにより消費が活発になるので景気の上昇が期待できます。
これはこのシナリオの理想の展開です。
ですが、実際は日本の4人に1人は高齢者という超高齢化社会でたいていの高齢者は安いバイトみたいなものをしている人もいますが、年金と貯蓄で暮らしています。
給料が上がるので収入がある人はまあ問題ないですが、収入がない人や少ない人は物価の上昇に追いつけないで苦しい生活をすることになってしまうでしょう。
また、日本は累進課税という頭がおかしいとしか思えない制度を採用しています。
累進課税は稼げば稼ぐほど税金(罰金)の割合を多くするという制度で、年収400万円の場合手取りは約310万円ですが、年収488万円だと約380万円、年収800万円だと約590万円なんだとか。
まあ、厳密にいくらなのかは控除される額などにもよるので何とも言えませんが、所得税の負担割合が必ず大きくなっていく以上給料が2倍になったところで手取りは2倍には届かないんですね。
物価が2倍になるのに使えるお金が2倍にならないし、今まで貯めた分は価値がどんどん失われていく世の中が本当に幸せな世の中になるんですかね?
今の水準から数字だけ大きくなって結局貧しい生活をするだけにしかならなそうですよね。
手取りが増える社会
なんやかんやあって給料の手取りも物価も毎年2%上がる社会になったとします。
つまり10年で給料は488万円、物価は126.9、36年だと給料は800万円、物価は208.2です。
要するに給料も物価も10年で1.22倍、36年で2倍になります。
でも預金残高は2倍になりません。
1000万円の預金を36年持っていても2倍の2000万円どころか1001万円になるかも怪しいところです。
つまり預金なんかしてても価値がなくなるだけだから早く消費したほうが得だとまともな人間なら考えます。
それにより消費が活発になるので景気の上昇が期待できます。
これは給料が増える社会のシナリオと同様の理想の展開です。
そして当然同じように、日本の4人に1人は高齢者という超高齢化社会でたいていの高齢者は安いバイトみたいなものをしている人もいますが、年金と貯蓄で暮らしています。
給料が上がるので収入がある人はまあ問題ないですが、収入がない人や少ない人は物価の上昇に追いつけないで苦しい生活をすることになってしまうでしょう。
まあこのように物価と賃金が同じペースで上がっていくと、どうやっても高齢者や低所得者はキツイんですね。
ただし、手取りがちゃんと今の基準から倍になることで収入がある人は今の水準と同じ生活はできるでしょう。
結局物価が2倍になって使えるお金も2倍になるけど、今まで貯めた分は価値がどんどん失われていく世の中になりますが、本当に幸せな世の中になるんですかね?
結局景気が良くなるかと税金が減るかどうか
このように給料と物価が同じペースで上昇すると生活が良くはならないで苦しくなりそうなことがわかりました。
しかし、しれっと1行書きましたが、「それにより消費が活発になるので景気の上昇が期待できます。」の通り景気が良くなれば給料は2%以上の上昇をみせるかもしれません。
そうすれば給料よりも物価の上昇スピードが緩やかになるので給料でよりたくさんの物や価値のあるものを買えるようになり生活が豊かになるでしょう。
まあ景気が良くなって利益がたくさん出たとして、それを従業員に給料として還元するかどうかはわかりませんけどね。
もしくは、給料にかかる税金の減税を行って手取りの上昇スピードを物価の上昇スピードよりも速くしたり、物価に載せる税金の減税を行って物価上昇のスピードを抑えることで給料でよりたくさんの物や価値のある物を買えるようになり生活が豊かになるでしょう。
これは会社側の意思に関係なく必ず従業員の給料や買い物に影響を与えてくれます。
つまり政府が行うべきは、手取りの上昇かつ物価の手取りほどではない上昇ですね。
そしてそれを簡単にやるには所得にかかる税金の減税と物価に載せる税金の減税ということになります。
間違っても企業に賃上げをお願いすることではありません。(国民民主党は減税の意義は分かってると思いますよHPを見る限りでは…)
最後のまとめ
今回は「【ズレてる】日本の景気停滞は賃上げされないからじゃない」というタイトルで僕が支持している国民民主党の政策にツッコミを入れました。
国民民主党が掲げている目標として、「給料を上げる。国を守る。」というのがあり、政策5本柱の1番目が「給料の上がる社会を作る」となっています。
ですが、大事なのは「賃金が上がることじゃなくて減税して手取りが上がること」です。
賃金を上げるかどうかは会社が判断することで、政府が介入していいはずがありません。
会社はボランティアでやってるわけじゃなく利益を追求するためにやってるので、かけるコストと比べて会社のためになるなら賃上げするし、会社のためにならないなら賃上げはしません。
そもそもの話として、物価も給料も同じペースで上がっていく世の中では税負担だけ無駄に増えて国民の生活は苦しくなるだけで何も改善されません。
生活が豊かになるためには手取りが上がり、物価は給料よりも緩やかに上がるのが理想です。
政府にはこの状態を目指して減税を行ってほしいですね。
企業にお願いするだけの無能ムーブは遠慮してほしいものです。
こんな記事も書いています。
コメント