多数決は不平等
日本は選挙で国の方針を国民が多数決で決めています。
多数決は多数派の意見が採用されるので多くの人が満足するように仕組み上なっています。
が、当然デメリットもあります。
多数決は実は非常に不平等です。
なぜ不平等かについて今回は解説していきます。
多数決は奴隷が生まれます
少数派の意見は無視
多数派の意見が採用されるというのは逆に言うと少数派の意見はまったく採用されません。
もちろん実際は多少は考慮されますが仕組み的には全く無視してもOKです。
なので、多数派になれるだけの票さえ集められれば少数派を迫害するような内容をガンガン実行に移すことができます。
もちろん日本には憲法や法律があるためその部分が考慮されますが、基本的には少数派に不利な制度を作り多数決であたかも平等に決めたふりをして意見を無視しています。
具体的には超過累進課税による高所得者にとって不利な税金の仕組み、所得制限による実質的な二重課税、働く人のみ(若者)を対象とした各種控除の減額・廃止・税率の引き上げなどがあります。
多数派だから正しいとは限らない
当然ですが、みんなが望んでいることだから正解だという保証はどこにもありません。
むしろ多くの人が自分にとって都合がいいと思えるような内容は若干危険かもしれません。
例えば支持する人が人口の49%未満であることがわかっているものに対してはめちゃくちゃ大きな税率をかけるなんてものは世の中にあふれかえっています。
自動車は人口の多い都市部ではあまり必要性がないので持っていない人が多く人口の少ない地方では生活必需品レベルだったりします。
1人1票の多数決で人口の密集している箇所ではぜいたく品のものが地方に行ったら生活必需品だったら多数決の結果はどうなるか火を見るより明らかですね。
少数派は一生多数派になれない
少数派はよほどのことがない限り多数派になることはできません。
これは理屈を考えれば当然で、大きく考えが変わるような出来事が起こらない限り基本的に人間は変化を嫌い、前回と同じ考えのまま次の多数決でも同じ行動をすることになるからです。
ましてや多数派に所属している場合、多数派に都合のいいように作った制度の恩恵を受けているのでその恩恵を手放す理由もありません。
少数派の人と触れ合ったり何かがきっかけで自分が少数派に落ちたりしない限りは基本的に多数派の人は考えを変えることはないでしょう。
また、何の知識もない人が何かを選ぼうとする場合、何かのきっかけで聞いたことがある。みんなが選んでいるものを選ぶ。といった傾向があります。
つまり何の知識も意見もない人は基本的に多数派の意見を勝手に支持するようになるので、多数派の立場は自然と強固なものになるんですね。
それに加えて、どうせ投票しても負けるのだからそもそも投票する行為自体が無駄でありその時間の分ほかのことをしていた方が効率がいいと考えるようになります。
若者の投票率が低いのは政治に興味がないということも含めてこのことが影響していると僕は考えています。
奴隷になる少数派
少数派はほぼ奴隷です。
意見を無視されますし、今ある立場がおかしなものであっても変えることすらできません。
具体的にどんな人が奴隷になる少数派なのかについて解説していきます。
高収入
高収入の人は当然ですが少数派です。
しかも高収入の人は基本的に低収入の人に妬み嫉みを抱かれています。
さらに支払い余力も低収入の人よりもあり、金を徴収するにはもってこいのカモです。
なので日本は累進課税を採用してえげつないほどの税金を高所得者からふんだくります。
年収1000万くらいのエリートサラリーマンは900万を超えた収入から突然税率が23%から33%に10%もアップするんでたまったもんじゃないですね。
もちろん収入が多い方が優雅な生活をできることは間違いないですが、稼いでも稼いでも思っているよりは生活はよくならないという夢のない現実が待ち受けています。
しかもこのあたりの年収のラインは生活水準や教育にかかる費用が多いわりに児童手当などの還付金や控除など本来貰うことができるお金を所得制限に引っかかってしまうことで貰えなくなってしまうこともあります。
実は860万の所得よりも850万の所得のほうが所得制限に引っかからずにお金がたくさんもらえたなんてこともあったりするので良く調べておくことが重要ですね。
当然選挙では、ほとんどの投票者は高収入ではないので政治家が高収入者をピンポイントに狙い撃ちした公約を発表しても自分に関係ないどころか自分以外のいけ好かない奴から金を奪い取るチャンスだと思って高収入者を迫害します。
若者
もうひとつの少数派は若者です。
日本は超少子高齢化社会で人口ピラミッドはこんな悲惨な形になっています。
選挙権があるのは18歳以上のところなのでボリュームのあるゾーンは40代後半と70代前半のあたり、30代よりも下は明らかに少なくなっていて若者が選挙で不利なのは確定的です。
また、選挙では年齢という必ず増えるものが基準となっていることもあり、これから迎える可能性のあるものに対しては積極的になります。
つまり、例えば60歳以上の医療費負担の話は60歳以上だけでなく60歳に近い50代くらいの人の関心も集めることになりますが、子供の手当てや不妊治療の話はどう甘く見積もっても40代くらいまでの関心しか集めることはできません。
それどころかそんなことに財源を使われたら恩恵を受けられない高齢者は相対的に損をするのでそういう話をする政治家はあまり選挙受けが良くありません。
このような背景もあり政治家は人数が多く、受けのいい高齢者よりの公約ばかりを発表し少数派の若者を無視し迫害します。
じゃあどうすればいいの?
少数派は損をするけど少数派になってしまう自分はどうすればいいんだとなると思います。
その答えは、
- できる範囲で少数派が多数派になるように行動する
- 少数派から抜け出す
- 待つ
となります。
できる範囲で少数派が多数派になるように行動する
地道に少数派が多数派になるような活動をします。
選挙に出馬して少数派の味方になるような公約を出したり、メディアやSNSで自分の考えを発信して協力者や同じ考えの人を集めたりですかね。
一番簡単なところで言うと選挙に行くことになります。
意外と得票率あるからそういう層に向けた公約を作るのもアリだなと思わせたりといった感じになります。
これは一番現実的ですが、上のほうで書いたように少数派が多数派になることはほぼほぼ無理なので厳しい活動になると思います。
とは言えやらないよりはやった方がましなので自分にできる範囲で行動していきましょう。
少数派から抜け出す
根本的な解決にはなっていませんが、少数派が嫌なら少数派から抜け出してしまえばいいという話です。
年齢は無理なので収入の話ですが、高収入がカモられるのであれば低収入になってしまえばいいんです。
ただ低収入になるのでは何をやっているのかわからないので、
- 勤務時間や勤務日数を減らす
- 楽な仕事に転職する
- 貯蓄しまくってFIREする
- 収入を分割する
なんて方法をとるといいでしょう。
勤務時間や勤務日が減ればその分ほかのことをする時間が取れて自分の人生の時間がもっと取れるようになります。
嫌な上司や嫌な仕事があるのであれば多少収入が下がってでも転職してしまった方がいいかもしれません。
ある程度の貯蓄ができてFIREしてしまえば収入自体はがくんと減ります。
マイクロ法人と個人事業主で収入を分割することで税金や社会保険料を最適化するといった技もあります。
ほかにもいろいろと抜け道はあるかもしれませんが多数派に入れたら基本はぬるま湯なので何とかして多数派に入れないかも考えてみる価値はあるでしょう。
最後のまとめ
今回は日本は多数決の国です。ということから多数決が不平等な理由と多数決の結果不利になっている人たちについて書きました。
多数決は多くの人が良いと思ったことを採用するので一見多くの人が満足する良い仕組みのように思えます。
しかし少数派の意見は完全に無視してもよく、理不尽に数の暴力で弱者を痛めつけるようなことが選ばれることも往々にしてあります。
しかも多数決という特性上、少数派は多数派になることが極めて難しく次回以降も少数派になってしまいがちです。
これではほぼ奴隷のようなものですが、現在の日本ではこの少数派に高収入者と若者が追いやられています。
日本をこれから良くしてくれる宝のような人材の2大要素が少数派で迫害されているのであれば未来なんてろくなもんじゃないですね。
そんなわけで少数派は少数派という派閥から抜け出す必要があるんですが、年齢のほうは変えることができないので収入面を最適化していくことで抜け出す方法があります。
と言ってもただ低収入になるのではなんの意味もないので
- 勤務時間や勤務日数を減らす
- 楽な仕事に転職する
- 貯蓄しまくってFIREする
- 収入を分割する
などを駆使して仕事と自分の人生のバランスをうまくとるようにしましょう。
結局多数決で国が動いている以上そのルールの中で自分がどうするかを考える必要があります。
ものすごく行動力があれば自分でルールを変える動きを起こしてもいいですが、僕はそんな行動力もやる気もないので良い感じのバランスを探すくらいにしておこうと思います。
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